日本精神の詩的表現

 日本精神のひとつの側面は＜水＞です。＜水＞に色はありません。また＜水＞には形もありません。色を持たないがゆえに何の色にも染まります。形を持たないがゆえにどんな形にもなります。しかし、その色や形に騙されないでください。色や形で争うのは愚かなことです。一方色や形がないと自分が見えないと思うのも事実です。大事なことはあなたが選んだ色や形はあなたではないと理解することです。そうすればそれを手放して、違う色や形を選択することができるようになりますから。そして、どの色や形にもこだわらなくなりますから。

本当の自分とは色や形は自分ではないと自覚して、＜水＞を澄ませることです。澄ませることにより、＜水＞をたたえる湖の底を映し出すことです。静的な表現になってしまいますが、映し出された湖底こそ、あなたが見るべき、あなたが知るべき、あなたが表現すべき、本当のあなたが眠っている場所です。

＜水＞は上から下に流れます。エゴが人より上に立ちたいと思うのと逆ではないでしょうか？＜水＞に個性はありません。エゴが特別でありたいと思うのとは逆ではないでしょうか？エゴが作った世界を逆説的に抜け出す可能性を日本が持っている理由はここにあります。

日本以外の精神は＜私＞を立たせます。一方、日本精神は＜水＞を澄ませる、つまり＜私＞を＜無＞にする＜無私＞＜非我＞の流れの中にあり、それによって日本は日本であるのです。

すべての日本国民が幸せでありますように。

言葉に愛と祈りを込めて。